代数学の基本定理およびヘヴィサイドの展開定理より、任意の有理型関数は一次もしくは二次の実係数多項式を分母に持つ有理型関数の総和として表現することができる。任意の伝達関数の出力は分解された有理型関数の出力の総和となるため、一次遅れ系および二次遅れ系の伝達関数の特性を理解すれば全体の特性を把握することができる。ここでは固有角周波数および減衰率によって記述される二次遅れ系の一般化表現について、これらの特徴量とステップ応答の関係を確認する。
二次遅れ系が零点
za=0、固有角周波数
ωn、減衰率
ζ を持つとき、伝達関数
G は以下のように表現される。
G(s)=s2+2ζωns+ωn2−zaωn2s+ωn2
このシステムに対するステップ応答は次にように表される。
y=s2+2ζωns+ωn2−zaωn2s+ωn2s1=s2+2ζωns+ωn2ωn2(−za1+s1)
したがって、応答は零点を持たないシステムに対してインパルス入力とステップ入力を行った出力の総和となる。
以下のグラフ生成ツールでは零点、固有角周波数および減衰率と出力応答の過渡特性の関係を確認することができる。ただし、
za=0 と設定された場合には零点は存在しないものとする。